What’s new Lila

ヤギの箱

2014.10.14
前にもこのことで書いたことがありました。
久しぶりに読んだ、村岡花子さんの翻訳による小説は、頭の中を凛として、綺麗にしてくれた気がします。
今回の小説は、主人公の女性が虫が好きである事も相まって、私には、なんと夢見心地な小説でした。
村岡さんは、このあとがきの中でこんなことを寄せておられました。

「私は、日本のティーンエイジャーの読むものについて、非常な不満を持っていた。
それは、若い人が悪いのではなくて、適当なものがないのだ。
ティーンエイジャーともなれば、愛情の問題に関心を持ち異性に対しても興味を持つのが健康な自然な状態である。
そしてまたこの年頃は、正義感の強いものである。これらの性格に対して適当なものが日本には少ない。
恋愛といえば直ちに性愛にいってしまう。だから若い人が正しい恋愛観を持ちえないのである。」

という一文は、昭和39年に書かれています。
昭和39年に警鐘を鳴らしたこの文章は、今まさに、わたしたちの子供たちに、けたたましい警鐘を鳴らしているように思え得てなりません。
昔、津駅の上にあった青少年に悪い書物を食べる「ヤギの箱」
今は、ネット社会という、ぽっかりと空いた暗い穴が、あんぐりと大きな口を開けて、
食べても食べても、ヤギでは太刀打ちができないでしょう。
山羊たちは、食べつくせない悪しき情報に、きっとお腹を壊して死ぬでしょう。

小説で夢心地に浸るとともに、なんとも今の社会に嫌気と不安を覚える私です。

写真は、小説に登場する蛾の写真。
セクロピアという北アメリカに住む蛾は、こんなに美しい羽根と、胴をしていました。
自然の造り賜うた素晴らしき形です。
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