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うさぎさんのサンダル
2015.11.17
大立商店街は、わたしが子供のころは夜店で賑わったかつて津市で一番の繁華街です。
わたしが結婚して長女が生まれた頃も、まだまだ活気がありました。商店街のそれぞれのオーナーの方は、みなさん気さくで話上手で、ただぶらぶらするだけでも楽しかったのを思い出します。
ボタンのニシダは、お嫁入り前のわたしと妹には、宝の宝庫で、ラインストーンの付いたバックルや、七宝のようなボタンは、見ているだけでも心が弾みました。
写真の交差点で、1歳になるかならないくらいの娘を抱えて歩いて渡った日がありました。主人とふたり、渡り終えたころだったか、商店街の入り口のイケガミ食料品店のオーナーが、小さなうさぎさんのサンダルを片方、持って追いかけてくれました。娘のお気に入りのピンクのサンダル。抱かれた娘の小さな足から、するっと片方落ちたのでしょう。気付いて下さらなかったら、車に踏まれていたでしょうに。娘はきっと泣いたでしょうに。
いまも、信号で止まるたび思い出します。
証券会社の建物は新しく変わっても、商店街が寂しくなっても、わたしの心にある思い出は、褪せず変わりません。