- What’s new Lila
- 綿菓子マシーン
綿菓子マシーン
2011.12.15

小学校のころは、本やレコードの他には、あまりおもちゃを買ってもらった記憶はありません。
リカちゃんにんぎょうを除いて。
それでも、たったひとつ鮮明に記憶に残るのは、「綿菓子マシーン」と銘打たれたおもちゃ。
おもちゃだけど、何かを作りだすものというのは、いつの時代にも、子供たちのとても好きなもの。
一番ポピュラーなのは、夏のかき氷の器械でしょうか(笑)
さて、件の綿菓子マシーン。
父は、買ってから、その大変さに気付いたのでしょう。
おもちゃと言っても、お砂糖を高温で溶かして作るこの器械は、子供だけでは到底無理で、
また父の厳格な性格では、楽しんだ後のお手入れが大変だったのでしょう。
「ねぇパパ。綿菓子マシーンして!! 」と、妹とお願いしても、5回に一度くらいしか、お目見えしなかったように思います。
箱から出して、組み立てます。
そして、中央の鉄板のような部分が熱くなるのを待って、ザラメの砂糖を入れます。
あとは、スイッチを押すと、外側だったか、内側だったかの小さなたくさんの穴から、細い蜘蛛の糸のような綿が出てきます。
それを、妹とふたり、わりばしにクルクル巻きつけるのです。
実家のリビングは、お砂糖の溶けて、焦げる甘いにおい。
シャンデリアの黄色い電灯の色。
割り箸の先の、小さな雲のかたまり。
懐かしい、甘い思い出です。
わたしたちは、出来た綿菓子を、ただ嬉しそうに食べる間、
父と母は、後片付けをしていたのでしょう。
冷めて固くなった飴状のお砂糖は、きっとなかなか洗い流せなかったでしょうし、
小さな穴の開いた、繊細だけれど、単純な器械は、きっと手入れも大変だったのだろうと、今更ながらに考えます。
年々、父譲りの奇病病みさが増すこのごろ、きっと完璧に手入れするのは、ストレスだったかも....と、考えます(笑)
そう、アラジンの石油ストーブを手入れしながら(笑)