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桜ほうさら
2019.11.01
愛らしい表紙の宮部みゆきさんの小説は私のお気に入り。もう何度読んだかわからないほど読み返している一冊です。
読んで感動して、心がさらっと洗われて、時間が経つとまた内容を忘れていて、また読み返して心の洗濯。
「ささら ほうさら」
甲州では、あれこれいろんなことがあって大変だ、大騒ぎだっていうようなとき、言うんだよ
主人公に語りかけられたこの言葉。出だしのあたりに使われて、これがタイトルの桜ほうさらに掛かるんだよね?と思うけれど、まだわかりません。(読んだはずなのに)
宮部さんの時代小説は言葉の美しさもまた魅力の一つ。
こんな風情ある言葉を使えるなら、この時代に生まれてみたい気もするなぁ。
そう思いながら読み進みます。
こんな面白い言葉がありました。
長堀金五郎は、詫びながら握り飯に食らいつく。口の端に飯粒がくっついている。
馬手(めて)に握り飯、弓手(ゆんで)には白湯の入った茶碗をつかみ・・・
めてとは右手、ゆんでとは左手。
つまり当時は、右手で馬の手綱を引いて、左手で弓を構えたのでしょう。
私は、右手にお箸、左手にお茶碗なので、馬手にお箸、左手にお茶碗。
だけど、ナイフとフォークは逆なので、馬手にフォーク、弓手にナイフ?
ああややこしい。
ともあれ、何度読んでもさらりと忘れたら、こんなお得はありません。
心温まり、時に涙し、そして心洗われる「桜ほうさら」
お薦めです。