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今日の徒然
2011.12.17

にわかコーヒーカップと、江國さんのRosso。Blu は、今は娘の手元に。
コーヒーカップ世代の方って、懐かしく思い出しますよね(笑)
娘が、冷静と情熱の間を読み始めました。
わたしが読んでいたころは、まだ小さかったのに、何だか大人になったなと、ちょっと面映ゆい感じもします。
こういう感覚を、親は味わってゆくのかと、父と母を思います。
冷静と情熱は、二人の作者の二つの物語からなります。
順正(男性)の側から書かれたブルーは、辻仁成さんの書かれたもので、一人の男性の日常が、
心の動きも追いながら、描かれてゆきます。
ロッソは、葵(女性)の側から描かれたもので、江國香織さんの手によって、女性の心が豊かに描かれ、日々が進んでゆきます。
この物語を完成させるために、お二人は、実際の恋人の心境で、手紙のやり取りをされたと、何かで読みましたが、
イタリアの古い街の中で、お互いに惹かれあいながら、生きているのが、何とも切なく書かれており、
また、その背景の街並みの描写の美しいこと。
2冊の本から成ることで、同じ日、同じ時間に二人がどう生活しているかが、頭の中で、一つの映画の情景のように重なってゆきます。そして、ああ、いまあのドゥオモの中ですれ違ったというのに.....という、切ない思いが、まるで自分のことのように込み上げてきます。
上手く書かれた本だと、わたしも今だ手放さずにいるものの一つです。
津市の街には、近鉄道路と呼ばれる道があります。
昔、近鉄電車が走っていた名残の名前だそうです。
そういえば、川を渡る橋は、何だか電車の鉄橋のような様相を、今も残しています。
この電車は、かつて松坂から江戸橋までを走っていたようです。
父は、三重大学の前身、三重高等農林卒業ですが、当時この電車を利用することもあったそうです。
母は、祖母に連れられて、津市内の叔母の嫁ぎ先によく立ち寄ったとのこと。
当時の生活の足が、この電車に支えられていたというのなら、二人も知らずにすれ違っていたのかしら。
と、またふっと、考えます。
10歳違いのふたりですから、学生の父と、まだ幼い母。
座席を譲ってもらったこともあるかも知れへんやん!!! と、いつか私が、冷静と情熱を読んだ頃話すと、笑っていました。
さてでは、主人と私はどうかしら?と、考えました。
主人と私には、父母ほどの年齢差はありません。
わたしが、小学生のころ、祖母の家の近くの百貨店に、伯父夫婦に手を引かれ、よく連れて行ってもらいました。
松坂の駅前のその百貨店は、小さいけれどやはり時代で、そこには屋上遊園地がありました。
わたしは、ここで確かコーヒーカップに乗ったのではと思います。
そのころ、主人は、父と母とともに、やはりこの百貨店に出かけて、屋上のレストランで、カレーを食べるのが楽しみだったと言います。
お皿に、ライスと真っ赤な福神漬けが、のせられていて、銀色で横長の、足の付いたちょっと変わった容器に入れられたカレー。
わたしが、コーヒーカップに回されている横で、主人はカレーを食べていたのでしょうか(笑)
う~~ん。あまりロマンティックではありませんね(笑)