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さくらんぼ
2014.05.14
小学生の時は、偕楽公園が通学路になっていましたから、
朝の通学は、子供の遅い足取りで、ひたすら学校までを一生懸命歩いたけれど、
帰りの道は、文字通り道草。道ばたの草木は、子供心をクスグって、呼び止めるのに充分な、
まさに自然の宝庫でした。
公園の道を挟んで反対側の土手には、毎年春になると、筑紫やゼンマイ・ワラビが顔を出し、
たまに来てくれるおばあちゃんに、大切に持ち帰っては、
「おばあちゃん、これ食べられる?」と聞くと、決まってお婆ちゃんからは
「これは鬼ゼンマイ」と、同じ答えが返ってきました(笑)
四月の初めは、今と同じく桜が綺麗で、あの頃は、公園の前の道沿いに、しずやさんという茶店があって、
公園の正面入り口には、毎年その時期だけやってくる茶店もあり、賑やかだったのを今も懐かしく思い出します。
幼稚園の頃から、この二つのお店の、炭火で焼くみたらしをおねだりしては、
母や妹と食べたのもまた懐かしい思いで。
公園の桜は、その花も美しいけれど、子供の頃には、そこに実るさくらんぼもまた楽しみで、
道草の理由の一つでした。
決して甘くは無かったと思うけれど、実って熟した実を、桜の木から捥いでは口に入れたのを覚えています。
確か、八重桜のさくらんぼは少々大きめで、ちょっと甘かったような気がしますが、
もうすっかり忘れてしまいました。
先日、患者さまから頂いたさくらんぼ。
お家に出来るのだそうで、これはとても美しく、甘く、わたしが子供の頃に頬張ったものとはきっと種類が違うのでしょう。
でも懐かしく思い出しました。