さよならアドルフという映画を見ました。

ナチスドイツ崩壊後のドイツ軍の子供達を主人公に描かれたこの映画は、父から聞いた日本の戦争末期に重なるようで、ぞっとする思いのところもありました。
例えば、今でこそ、ナチスのユダヤ人迫害は間違いであると思えるけれど、当時のドイツの人々は、自分たちの過ちに気付いていないのです。そして、高々と家の中に、ヒトラーの肖像を掲げている。

子供たちは、父は正しい戦争を行っていると思って疑わない。結局、狂気のような混乱の中、子供たちだけで生き延びる術を与えてくれたのは、ユダヤ人の青年であるという内容は、皮肉であり、当時の様子を、犠牲になってゆく子供という視点から描いています。

安部総理が理想高々と掲げている、積極的平和主義
進んで行けば、結局犠牲になるのは子供や残された罪も無い普通の人々となるのだろうなと、そんなことを感じながら見ていました。

写真に映る整然とした食事風景にも、生死のギリギリを生き抜いてきた子供の振る舞いが表れています。
一見何の問題も無い食卓風景だけれど、子供たちの心は、深く深く傷付いています。そして、壊されたドイツの焼き物の人形は、他でも無い、戦争で壊された子供たちの心に他なら無いのです。

 この映画は、監督が女性であるということも、また感情移入して見た理由のひとつでしょうか。わたしは、自分の子供たちも、病院のスタッフの子供たちも、我が家で過ごしてかえっていった様々な国の子供たちも、みな同じに愛おしく、大切です。けれども、安部総理がにとっては、私たちの子供は、自分の子供では無いようです。

さよならアドルフとは、アドルフヒトラーの時代に別れを告げるという意味でしょうか。こんなにたくさんの犠牲を払うような戦争の世界はもうたくさんです。