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まんまちゃん事件
2017.02.01
我が家で、「まんまちゃん事件」と呼ばれている思い出があります。
私と妹の間で語り継がれる事件です。
昔、さんまのまんまというテレビの番組がありました。
そこには、まんまちゃんという大きな黄色の犬のキャラクターが登場していました。
今のゆるキャラの走りでしょうか。
まだ私たちが旧アニーの二階に住んで、開業も間もない頃、三重大学病院の正門の前に、牛丼の吉野家さんが出来ました。
私の妹の旦那様、つまり義弟は、アパレルの会社に就職しています。
妹夫婦からその頃、獣医さんのお兄ちゃんの為にと、主人にこの「まんまちゃんプリント」のパジャマを頂きました。グリーンの起毛のネル素材に、黄色のまんまちゃんが、全体にプリントされたパジャマは、暖かですが、かなりのインパクトです。これは、家の中で楽しむパジャマに他なりません。
私は結婚前、主人に初めて吉野家さんに連れて行ってもらいました。私の父は、とかく外食と添加物にうるさい人でした。農学部出身で、農産製造過程専攻、製薬会社経営という肩書きをそのまま形にしたような父でしたから、子供の頃からノーと言われる食べ物は多々ありますが、大人になってもそれは続いていました、笑。
さて、夜更けの吉野家さん、中島みゆきさんの歌のように、狼になりたいと思った人が、牛丼を食べていたか否かは知らないけれど、冬の寒いある夜更け、主人は、思い出の牛丼を、そのオープンしたお店に買いに行ってあげると言い出しました。
「ねえ、そのパジャマ、着替えて行ってね」と、わたし。
「大丈夫やん。こんな時間に誰もおらへんし、車やん」と、主人。若気のいたり、笑。
で、その上にウィンドブレーカー(これも当時流行りましたね)を引っ掛けて、車に乗り込んで出掛けました。当時、我が家の車は二台。一つは主人とわたしの共用の車、日産のテラノだったでしょうか。と、もう一台、もういつ壊れても良いような軽自動車。せめて大きい方の車で行けばいいものを、この軽自動車に乗ったまま、いつまでたっても帰らない。おまけに街には雪が降り出して、路面は白くなる始末。待っているわたしもオロオロ。。と、もう日付が変わるのではという頃、歩いて、吉野家さんの袋をぶら下げ、「寒い〜〜」の声と共に帰宅した主人は、歩いて帰ってくる始末。
なんでも、車は寒さでエンジンが止まり、吉野家さんの駐車場に置かせてもらって歩いて帰ってきたのだそうで、タクシーを呼ぼうという感覚も、まだ20代の主人には無かったのでしょうね。
それにしても、あの緑のパジャマで歩く人が、まさかアニー先生とは思わんわ。と、笑い話になりました。風邪もひかず、良かったものの、あの頃は、まだ患者さまも少なく、カルケの数も少なく、
でも、とにかく、いらした患者さまと、犬猫たちの病気は、ひとつ残らずすくい上げるつもりで頑張ろう。と、30年の努力と実績で、ここまできたなあと、懐かしい事件を思い出しました。
あの頃は、携帯電話もなく、インターネットもない時代。
時代が便利になって、病院が大きくなっても、主人の心は変わりません。まんまちゃんのパジャマの頃のまま。とにかく治したい。
ですので、待ち時間は出ますが、コーヒーを飲みながら、どうぞお待ち下さいね。
あのパジャマ、記念に置いておけば良かったかな。。