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蓮の実
2014.09.13
父が小学校に上がる時、面接があったそうです。
わたしの小学生になった時に、面接があった記憶はありません。
昭和の初め頃はそうだったのでしょうか。
面接のあと、祖母が先生と面談するのだそうです。
「先生は、何も言うことはありません。聡い良いお子さんですね。そう仰ったんですの。」
祖母のことばです。
この話をしたあと、祖母は決まって、こう続けます。
「先生が、ひとつだけ、これは何ですか？と、蓮根の絵を見せて尋ねたら、息子さんは、『蓮の実』と、言いました。
と、言われましたわ。我が家では、蓮の実って呼んでましたもの」
と、嬉しそうに話していました。
今考えたら、そんな些細なことでも、我が子の大切な思いでだったのだろうと、
私もまた、子を持つ親になって、歳を重ねて、小さい思い出のかけらのひとつひとつが、いかに大切であるかを、
身にしみて感じるのです。
蓮根の頂き物を致しました。
昨晩は、さっと湯通しして、お醤油とマヨネーズにすりゴマをかけて戴きました。
昨晩の蓮根には、蓮の花と蓮の葉が添えられていて、
包みを開いた瞬間、その風流に「わあ」っと声を上げました。
そして、思い出した、私の懐かしい記憶です。
